「短期間で大きな売上をつくれる」
として日本でも一時期ブームになったプロダクトローンチ。
本来は新商品やサービスを市場に効果的に投入するための
マーケティング手法ですが、その仕組みを利用して
「高額塾」や「情報商材」を売り続けた人たちの中には、
思わぬ末路を迎えるケースも少なくありません。
本記事では、高額塾とプロダクトローンチの関係、
その功罪、そして販売者が陥った実態についてまとめます。
高額塾の多くがプロダクトローンチで販売されていた
2010年代以降、日本でもネットビジネス系を
中心に高額塾＝プロダクトローンチという構図が一般化しました。
メールや動画を使って段階的に教育し、
最後に高額な商品をクロージングする。
心理的効果を活用することで、
数十万〜百万円を超える講座が次々と売れていったのです。
販売者にとっては短期間で数千万〜数億円規模の
売上を作れる夢のような仕組みでした。
金額に見合わない粗悪コンテンツの増加
しかし、多くの高額塾ではコンテンツの質が伴わないケースが目立ちました。
実際の中身は無料レベルの情報や、すでにネット上に溢れている
ノウハウを寄せ集めただけのものも多く、
「金額に見合わない」と受講者の不満が噴出しました。
本来、学習意欲の高い人が投資して参加しているにもかかわらず、
結果が出ず「高額なのに価値がなかった」という声が増え、
やがて悪評につながっていったのです。
結果として悪評が広がる
プロダクトローンチは一気に多くの顧客を集める仕組みであるため、
不満の声が広がるのも非常に速いという特徴があります。
ネット上の口コミ、SNS、掲示板などで「詐欺まがいだ」
「全く役に立たなかった」といった書き込みが増えると、
次回以降の販売にも影響します。
一度広がった悪評は簡単には消えず、
販売者の信頼そのものを損なう結果となりました。
本業に影響が出てしまう人も
高額塾の販売に没頭して悪評が立ってしまったあまり、
もともと持っていた本業や既存事業に
悪影響を及ぼすケースも見られました。
「短期間で売上を作れるから」と繰り返しプロダクトローンチを実施しても、
受講者の成果が出ないためリピートにつながらず、
結局はビジネス全体が縮小してしまい
コンテンツを提供した側も悪いレッテルを貼られてしまうわけです。
信用を失った状態では、元の事業に立て直すのも難しく、
キャリアそのものが行き詰まる人も少なくありませんでした。
特殊詐欺に加担する人も
悪質な例では、高額塾の販売が通用しなくなってしまった事で
オレオレ詐欺などの特殊詐欺にシフトチェンジした人が
いる事例も聞いたことがあります。
手段を択ばずに稼ぐ方法を選択されるようです。
ほとんどが海外に拠点を置いているという噂で
近年、海外に拠点を置き、日本人をターゲットとした
特殊詐欺案件が増えてきているので
もしかしたら何かしら関わりがあるのかもしれません。
過剰な演出はデメリットが多い
プロダクトローンチの大きな特徴は「演出」です。
派手な会場、成功者のインタビュー、
限定感を煽るコピーなどが駆使されました。
しかし、過剰な演出は逆効果になることも多く、
「胡散臭い」「信用できない」という印象を与えやすくなります。
短期的には売上が上がっても、長期的に見れば信頼を失い、
結果として自らのビジネスを壊す原因となりました。
プロダクトローンチ自体は悪いものではない
誤解してはいけないのは、
プロダクトローンチという仕組み自体が
悪いわけではないという点です。
もともとは「新しい価値を正しく伝えるための手法」であり、
製品やサービスに自信がある事業者が
使えば大きな成果を上げることが可能です。
問題はそれを中身の伴わない高額塾販売に乱用した人たちであり、
その結果として信用を失ったに過ぎません。
本質的には「顧客に価値を届けること」にこそ注力すべきなのです。
まとめ：短期利益より長期的な信頼を
プロダクトローンチで高額塾を売り続けた人々の多くは、
最初は大きな利益を得ました。
しかし最終的には、
・金額に見合わないコンテンツで悪評が広がる
・本業に影響し、キャリアを失う
・特殊詐欺に近い手法で信用を失う
という末路を辿るケースが少なくありません。
一方で、プロダクトローンチは
適切に使えば有効なマーケティング手法です。
成功者と失敗者を分けるのは
「顧客に本当に価値を提供できているか」という一点に尽きます。
目先の売上にとらわれるのではなく、
長期的な信頼を積み上げる姿勢が、
持続的なビジネス成功には欠かせないのです。
