資金調達を希望する人々に対し、案件の紹介を条件に
「マルチレベルマーケティング(MLM)への強制参加」を求める
悪質なケースが近年報告されています。
MLMは合法的に運営される場合もありますが、
資金調達と結び付けられることで極めて危険な詐欺的要素を含むことになります。
この記事では、実際に寄せられた相談や実体験を基に、
この手口の実態と注意点を解説します。
1. MLM強制参加型資金調達案件とは
通常、資金調達案件は投資家や事業者にとって
必要な資金を提供する仕組みとして紹介されます。
しかし悪質な業者は「案件を紹介する代わりに、特定のMLMに加入すること」を条件にしています。
つまり資金調達という本来の目的とは無関係な「会員獲得」が真の狙いとなっているのです。
2. 実際にあった事例
ある起業希望者は、ビジネス資金を調達するために相談したところ
「融資や投資の話を進めるには、まずこのMLMに加入してほしい」と言われました。
加入金は数十万円で、さらに商品購入や毎月の維持費が必要とされました。
しかし資金調達は一向に進まず、最終的にはMLMの勧誘活動ばかりを
強いられる結果となりました。
3. 典型的な手口
- 「このネットワークに入れば資金が簡単に集まる」と説明する
- 高額な入会金や初期投資を要求する
- 資金調達自体は曖昧で、紹介や勧誘活動ばかりが中心になる
- 断ろうとすると「チャンスを逃す」と強引に説得される
4. 被害者が直面する問題
MLMに強制参加させられることで、
被害者は本来得られるはずの資金調達が実現しないだけでなく、
新たな出費や借金を背負うことになります。
また、人間関係を利用した勧誘が多いため、
友人や知人との信頼関係まで失うケースも少なくありません。
5. 法的リスク
MLM自体は合法的な販売形態とされていますが、
「資金調達」と偽って加入を迫る行為は詐欺や特定商取引法違反に当たる可能性があります。
特に「投資を受けられる」「融資が通る」といった虚偽説明を用いた場合、
刑事事件に発展するリスクがあります。
6. 回避するためのポイント
- 資金調達に関して「MLM参加」を条件にされたら即座に疑う
- 融資や投資の話が「紹介料」や「入会金」と結び付いていたら危険信号
- 公式な金融機関や公的制度を通じて資金調達を行うことを徹底する
- 万一勧誘を受けた場合は、証拠を残し専門機関へ相談する
7. 健全な資金調達のために
本来の資金調達は、事業の将来性や返済能力に基づいて判断されるべきです。
MLMへの強制参加は、そのどちらとも無関係であり、
むしろ新たなリスクを背負わせるものです。正規の金融機関、
クラウドファンディング、公的支援制度などを活用することが健全な方法です。
まとめ
資金調達案件を装いながら、MLMへの強制参加を条件とする悪質な案件は後を絶ちません。
資金繰りに困っている人の心理につけ込み、
さらに金銭的負担や人間関係の悪化をもたらす危険な仕組みです。
実体験からも明らかなように、このような話には絶対に関わらないことが最善策です。
資金調達は必ず正規ルートを利用し、
怪しい誘いには毅然とした態度で臨むことが大切です。