🎰 月利300%の罠 🎰
ベラジョンカジノを利用した
「投資案件」の危険な実態
2016年SNS拡散|マーチンゲール法|高額塾|違法性リスク
2016年頃、Twitter・FacebookなどのSNSで
「ベラジョンカジノで月利300%」「誰でも簡単に稼げる投資」
という触れ込みの案件が急速に拡散しました。
マーチンゲール法という賭け方を「投資手法」と称し、
数十万円の高額塾やコンサルが次々と登場。
多くの人が「これは投資だ」と信じて参加しましたが、
実態は極めてリスクの高いギャンブルであり、
資金を失った人が続出しました。
さらに、日本におけるオンラインカジノの違法性リスク、
マルチ商法的な紹介システム、アカウント凍結など、
複数の深刻な問題を抱えていました。
本記事では、この「ベラジョンカジノ投資案件」の実態を徹底解説し、
なぜ多くの人が騙されたのか、
どうすれば見抜けたのか、本当の投資とは何かを明らかにします。
🚨 この記事の結論
ベラジョンカジノを「投資」と称する案件は、
投資ではなくハイリスクなギャンブルです。
マーチンゲール法は理論上破綻する戦略であり、
高額塾の「月利300%」は再現性がありません。
さらに日本ではオンラインカジノの利用自体にグレーゾーンがあり、
刑事事件として立件された事例も存在します。
「楽に稼げる投資」という甘い言葉に騙されず、
リスクを正しく理解し、合法的で健全な投資を選択してください。
ベラジョンカジノとは:基礎知識
ベラジョンカジノの概要
Vera&John(ベラジョンカジノ)は、
マルタ共和国のライセンスを取得して運営されているオンラインカジノです。
🎲 ベラジョンカジノの基本情報
- 運営会社:Breckenridge Curacao B.V.
- ライセンス:キュラソー政府発行のライセンス(以前はマルタ)
- 設立:2011年
- 特徴:日本語対応、日本円での入出金可能
- ゲーム種類:スロット、ルーレット、バカラ、ブラックジャックなど
オンラインカジノとは
オンラインカジノは、
インターネット上で実際のお金を賭けてカジノゲームをプレイできるサービスです。
ラスベガスやマカオのカジノをオンラインで体験できる仕組みです。
⚖️ 日本における法的位置づけ
重要:日本国内からオンラインカジノを利用することは、法的にグレーゾーンです。
- 日本では賭博罪(刑法185条)により、賭博行為は違法
- 海外運営のオンラインカジノを日本から利用する行為の法的解釈は不明確
- 実際に検挙された事例も存在する(後述)
- 「海外で合法だから日本でも問題ない」は誤解
2016年のSNS拡散:なぜ広まったのか
SNSでの急速な拡散
2016年頃、TwitterやFacebookを中心に、
「ベラジョンカジノで月利300%」「初心者でも簡単に稼げる投資」
という投稿が爆発的に拡散しました。
📱 SNS拡散の典型的なパターン
STEP 1:成功アピール
「今月もベラジョンで50万円の利益!」
「たった3日で元手10万円が30万円に!」
といった成功報告をスクリーンショット付きで投稿。
STEP 2:投資としての正当化
「これはギャンブルじゃない、投資です」
「確率論に基づいた科学的手法」
「プロの投資家も使っている戦略」
といった表現で、ギャンブルではなく投資であると主張。
STEP 3:限定性・緊急性の演出
「今月限定で教えます」
「先着10名のみ」
「このチャンスを逃すと後悔します」
といったFOMO(取り残される恐怖)を煽る表現。
STEP 4:高額塾・コンサルへの誘導
「詳しく知りたい方はDMください」
「無料LINE相談受付中」
といった形で個別コンタクトへ誘導し、
最終的に数十万円の塾・コンサルを販売。
なぜ多くの人が信じたのか
🧠 人々が騙された心理的要因
- 投資ブームの時代背景:2016年は仮想通貨バブル前夜で、「新しい投資」への関心が高かった
- SNSでの社会的証明:多くの人が成功報告をしているように見えた
- 数学的正当性の錯覚:マーチンゲール法が「確率論」として説明された
- 海外=合法という誤解:「海外で運営されているから安全」という思い込み
- 紹介者への信頼:友人・知人からの紹介で警戒心が薄れた
- 低収入への不安:「副業で稼ぎたい」という切実な願望
マーチンゲール法:破綻する「必勝法」
マーチンゲール法とは
マーチンゲール法(Martingale System)は、
負けるたびに賭け金を2倍にしていき、勝った時に損失を一気に回収する戦略です。
18世紀フランスで生まれた古典的な賭け方で、「倍々ベット法」とも呼ばれます。
🎰 マーチンゲール法の仕組み
基本ルール
- 最初に1単位(例:1,000円)を賭ける
- 負けたら次は2単位(2,000円)を賭ける
- また負けたら4単位(4,000円)を賭ける
- 勝つまで賭け金を倍々にしていく
- 勝ったら最初の1単位に戻す
具体例(ルーレットの赤/黒賭け)
| 回数 | 賭け金 | 結果 | 累計損益 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,000円 | 負け | -1,000円 |
| 2回目 | 2,000円 | 負け | -3,000円 |
| 3回目 | 4,000円 | 負け | -7,000円 |
| 4回目 | 8,000円 | 勝ち | +1,000円 |
4回目で勝てば、累計1,000円の利益(最初の賭け金分)が出る。
理論上は「いつか勝てば損失を回収できる」という仕組み。
マーチンゲール法が破綻する理由
❌ 5つの致命的な欠陥
欠陥1:資金の上限
連敗が続くと、必要な賭け金が指数関数的に増加します。
- 10連敗:512,000円(約51万円)
- 15連敗:16,384,000円(約1,638万円)
- 20連敗:524,288,000円(約5億円)
無限の資金がなければ、いつか必ず破綻します。
欠陥2:ベット上限
カジノには最大ベット額の制限があります。
例えば、1回のベット上限が10万円の場合、
それ以上の賭け金をかけることができず、戦略が破綻します。
欠陥3:連敗の確率は想像以上に高い
ルーレットの赤/黒は勝率約48.6%(0と00があるため50%ではない)。
- 10連敗の確率:約0.14%(714回に1回)
- 長時間プレイすれば、10連敗以上は必ず発生する
欠陥4:期待値はマイナス
カジノにはハウスエッジ(胴元の取り分)があり、
長期的には必ずプレイヤーが損をする設計です。
マーチンゲール法を使っても、期待値はマイナスのまま変わりません。
欠陥5:リスクとリターンの不均衡
リスク:数百万円〜数億円の損失
リターン:たった1,000円の利益
このリスク・リターン比率は、あまりにも不合理です。
💡 数学者も認める「破綻する戦略」
マーチンゲール法は18世紀から存在する古典的な戦略ですが、
数学的には「いつか必ず破綻する」ことが証明されています。
もし本当に必勝法だったら、すべてのカジノは倒産しているはずです。
カジノが今も繁栄しているのは、この戦略が長期的には勝てないからです。
「月利300%」高額塾の実態
高額塾の典型的な構造
2016年頃、
「ベラジョンカジノで月利300%可能」と謳う高額塾やオンラインサロンが多数出現しました。
💰 高額塾の典型的な内容
価格帯
- 入会金:10万円〜30万円
- 月額コンサル料:3万円〜10万円
- 上位コース:50万円〜100万円
提供される「ノウハウ」
- マーチンゲール法の詳細解説(無料で調べられる情報)
- ベラジョンカジノの登録方法(公式サイトに書いてある)
- 「勝率を上げる裏技」(実際には存在しない)
- LINEグループでの情報共有(成功報告のみ)
- 「メンタル管理」の講義(精神論)
実際の価値
ほとんどの情報はネット検索で無料で得られる内容。
数十万円の価値はありません。
高額塾が儲かる仕組み:マルチ商法
🔺 マルチ商法的な紹介システム
多くの高額塾は、
受講生が新たな受講生を紹介すると紹介料がもらえる仕組みでした。
紹介報酬の例
- 1人紹介で5万円
- 紹介者が紹介した人からも報酬(2段階、3段階)
- 「月100万円稼げる」のは、カジノではなく紹介料
参加者の実態
多くの参加者は、カジノで勝つことではなく、
他人を塾に勧誘して紹介料を得ることで資金を回収しようとしました。
結果として、典型的なマルチ商法の様相を呈していきました。
実際の被害事例
以下は、実際に報告された被害をもとに構成したケーススタディです。
事例A:高額塾代+カジノ損失で二重の被害
被害者:30代会社員男性
被害額:塾代30万円+カジノ損失80万円=合計110万円
経緯:
- Twitterで「月利300%」の投稿を見て興味を持つ
- DMで連絡し、無料LINE相談へ誘導される
- 「絶対に稼げる」と説得され、30万円の塾に入会
- 教えられた通りマーチンゲール法を実践
- 最初は順調に勝ち、「これはいける!」と確信
- しかし、ある日10連敗が発生
- 資金が尽き、消費者金融から借入してまでベット
- 最終的に80万円を失い、借金だけが残る
結果:塾代と損失で合計110万円の被害。
塾の返金対応もなく、泣き寝入り。
事例B:紹介料目当てで友人関係が崩壊
被害者:20代フリーランス女性
被害額:塾代20万円+カジノ損失30万円+友人との関係
経緯:
- 友人から「稼げる投資」として紹介される
- 友人を信じて20万円の塾に入会
- カジノで30万円を失う
- 損失を取り戻すため、他の友人に紹介を開始
- 紹介した友人も損失を出し、関係が悪化
- 「詐欺に加担した」と非難され、友人を失う
結果:金銭的損失に加え、信頼できる友人関係も失った。
事例C:アカウント凍結で資金が引き出せない
被害者:40代自営業男性
被害額:ベラジョンカジノ内の50万円が引き出せず
経緯:
- マーチンゲール法で一時的に50万円まで増やす
- 出金しようとしたら、突然アカウントが凍結
- サポートに問い合わせるも「利用規約違反」との回答
- 具体的な違反内容は明示されず
- 資金は没収され、アカウントは永久停止
結果:50万円が引き出せないまま、泣き寝入り。
ベラジョンカジノ側の対策とアカウント凍結
参入者増加による対策強化
マーチンゲール法を使う日本人プレイヤーが急増したことで、
ベラジョンカジノ側も対策を講じ始めました。
🚫 カジノ側の対策
- ベットパターンの検知:AIによる不正プレイ検出システム
- アカウント制限:連続的なマーチン戦略が検出されると出金制限
- ベット上限の引き下げ:高額ベットができないようテーブルリミット調整
- ボーナス規約の厳格化:特定の賭け方でボーナスが没収
- 日本人プレイヤーへの警戒:特に監視が強化された
勝っても出金できないリスク
⚠️ 「稼げる投資」の嘘
たとえ一時的に勝ったとしても、出金できなければ意味がありません。
カジノ側は利用規約に基づいて、いつでもアカウントを凍結し、
資金を没収できる権限を持っています。
「勝率が高い戦略」があったとしても、
カジノ側が認めなければ資金は手元に戻りません。
オンラインカジノの違法性リスク
日本における法的リスク
日本では、
賭博罪(刑法185条)により、賭博行為は違法とされています。
⚖️ 賭博罪の規定
刑法第185条(賭博)
「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。
ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
オンラインカジノの位置づけ
- 海外運営のオンラインカジノを日本から利用する行為はグレーゾーン
- 「海外で合法だから日本でも合法」は誤解
- 実際に検挙された事例が存在する
実際の検挙事例
📰 過去の摘発事例
2016年、京都府警がオンラインカジノ利用者を賭博容疑で検挙した事例があります。
また、オンラインカジノへの決済代行業者が摘発されたケースもあります。
「今まで逮捕されていないから安全」ではなく、
いつ摘発されてもおかしくない状態であることを認識すべきです。
投資案件での説明不足
高額塾やコンサルで、
違法性リスクが十分に説明されることはほとんどありませんでした。
多くの参加者は、後になって法的リスクに気づくことになりました。
見分け方と対策
ギャンブルを「投資」と偽る案件の特徴
🚨 危険な案件のチェックリスト
❌ 「月利○○%」「絶対勝てる」などの断定表現
→ 投資やギャンブルに「絶対」はありません。断定する案件は詐欺です。
❌ 「これは投資です」とギャンブルを正当化
→ カジノはギャンブルです。投資と呼んでも本質は変わりません。
❌ 数十万円の高額な入会金・コンサル料
→ 本当に勝てる手法なら、自分で実践すれば良いはず。なぜ教える必要があるのか?
❌ 紹介報酬がある(マルチ商法的構造)
→ 利益の源泉が「カジノで勝つこと」ではなく「人を紹介すること」になっている。
❌ 成功事例のみを強調し、リスクを説明しない
→ 健全な投資案件は、必ずリスクを明示します。
❌ 法的リスクについて説明がない
→ オンラインカジノの違法性リスクを説明しない案件は、参加者の安全を考えていません。
❌ 「今だけ」「限定」などの緊急性を煽る
→ 冷静な判断を妨げるための心理操作です。
本当の投資とは何か
✅ 健全な投資の特徴
1. 合法性が明確
金融庁に登録された証券会社や、法律で認められた投資商品を利用する。
2. リスクが明示されている
「元本割れのリスクがあります」など、必ずリスク説明がある。
「絶対儲かる」とは言わない。
3. 長期的な資産形成を目指す
「月利300%」のような短期的な高リターンではなく、
年利5〜10%程度の現実的なリターンを長期で積み上げる。
4. 透明性がある
運用状況、手数料、リスクなどがすべて開示されている。
5. 高額な初期費用が不要
数十万円の「入会金」や「コンサル料」は不要。
証券口座の開設は基本的に無料。
📚 推奨される投資方法
- つみたてNISA:金融庁が認めた投資信託を非課税で積立
- iDeCo(個人型確定拠出年金):税制優遇がある老後資金形成
- インデックス投資:低コストで市場全体に分散投資
- ETF(上場投資信託):株式市場で取引できる投資信託
- 国債・社債:安定的な利息収入を得る
まとめ:ギャンブルを投資と呼んではいけない
ベラジョンカジノを利用した「投資案件」は、
2016年頃にSNSで急速に拡散しましたが、
その実態は投資ではなく極めてリスクの高いギャンブルでした。
ベラジョンカジノ投資案件の5つの問題点:
- マーチンゲール法は理論的に破綻する:連敗で必要資金が指数関数的に増加
- 「月利300%」は再現性がない:一時的に勝っても長期的には必ず負ける
- 高額塾は価値がない:ネットで無料で得られる情報に数十万円
- マルチ商法的な構造:利益の源泉は紹介料(カジノではない)
- 違法性リスク:日本では賭博罪で検挙される可能性
被害に遭わないための3つの原則:
- 「絶対勝てる」「月利○○%保証」という案件は詐欺と疑う
- ギャンブルを「投資」と呼ぶ案件には近づかない
- 合法的で透明性のある投資方法を選ぶ
最も重要な教訓:
投資とギャンブルは本質的に異なります。
投資は、長期的に経済成長の恩恵を受けて資産を増やす行為です。
一方、ギャンブルは短期的な運に賭ける行為であり、長期的には必ず胴元が勝つ設計です。
「楽に稼げる」「誰でも簡単に」という甘い言葉に騙されず、
地道に、合法的に、そして健全に資産を形成していく道を選んでください。
カジノで「月利300%」を夢見るよりも、
つみたてNISAで年利5〜8%を着実に積み上げる方が、
遥かに確実で安全で、そして最終的に大きなリターンを得られます。
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⚠️ 免責事項
本記事は2025年11月時点の情報に基づき、ベラジョンカジノを利用した投資案件の
一般的な実態を解説するものです。
特定の個人・団体を断定的に批判する意図はありません。
本記事は法律相談や投資助言ではありません。
オンラインカジノの利用に関する法的判断は、必ず弁護士などの専門家にご相談ください。
実際の投資判断は、必ず自己責任で行ってください。
本記事の内容に基づく行動によって生じたいかなる損害についても、
当サイトは責任を負いかねます。
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