Funding Risk Report

🚗 「車で資金調達」の落とし穴
オーバーローン購入による資金調達の真実

一石二鳥に見えて、実は一石二鳥?|デメリットと注意点を徹底解説

⚠️ この記事について
近年、資金調達の手段として「オーバーローンによる車購入」
という方法が耳に入ることがあります。
車両価格以上の金額でローンを組み、差額を手元資金として活用する——
一見すると「車も手に入り資金も得られる」という一石二鳥のように思えます。
しかし、実態はそれほど単純ではありません
維持費の負担、売却の制限、信用リスクなど、
見落とされがちな落とし穴が数多く存在します。
本記事では、ブローカーが語らないデメリットと、
この手法を利用すべきでないケースについて、詳しく解説していきます。

オーバーローンとは何か

オーバーローンとは、購入する車の価格よりも高額の融資を受ける仕組みのことです。

例えば、200万円の車を購入する際に250万円の融資を組み、
その差額50万円を現金として手元に残すといったケースが代表的です。

融資率は通常の自動車ローンよりも高めに設定されることが多く、
金融機関によっては「借入上限が車両価格の120%まで」
といった基準を設けている場合もあります。

💡 オーバーローンの仕組み

通常の自動車ローンでは、車両本体価格+諸費用(税金・保険・登録費用など)
の範囲内での融資となります。
しかし、オーバーローンではこれらの実費を超えた金額を借り入れることができます。

一部の金融機関やブローカーは「運転資金」「生活資金」といった名目で、
車両価格を上回る融資を提案してきます。
書類上は車の購入目的ですが、実質的にはフリーローンに近い性質を持っています。

「一石二鳥」に見える理由

なぜこの方法が魅力的に見えるのでしょうか?それは、
次のような「メリット」があるように見えるためです。

① 車と現金が同時に手に入る

車を所有しながら、手元に現金も残る——この「両取り」感覚が、多くの人を惹きつけます。
特に資金繰りに困っている場合、「どうせ車が必要なら、ついでに資金調達もできる」
と考えてしまいがちです。

② 審査が比較的通りやすい(ように見える)

カードローンやフリーローンと比べて、自動車ローンは「担保付き融資」であるため、
審査が通りやすいケースがあります。
車両自体が担保となるため、金融機関側もリスクを軽減できるという理屈です。

③ ブローカーの甘い言葉

「すぐに資金が手に入る」「車を売ればいいだけ」「みんなやっている」——
こうした甘い言葉で勧誘してくるブローカーの存在も、
この手法が広まる一因です。

🚨 重大な誤解

しかし、これらの「メリット」は表面的なものに過ぎません。
実際には、維持費・売却制限・信用リスクなど、多くの隠れたデメリットが存在します。
次のセクションから、その実態を詳しく見ていきましょう。

車を維持する必要がある現実

オーバーローンで資金を手にしたとしても、
その裏には「車を維持し続けなければならない」という現実があります。

車両そのものはローン会社に担保として設定されるため、
途中で不要になったからといって自由に処分することはできません。
つまり、「資金が必要だけど車は不要」という状況では、
この方法は成立しない
のです。

さらに深刻なのは、維持費の負担です。
駐車場代、保険料、税金、車検費用、メンテナンス代——
これらが毎月・毎年のようにのしかかってきます。
手元に残った資金を使い切る前に、
維持費で赤字になるケースも珍しくありません。

見落とされがちな維持費の負担

車を所有する以上、必ず発生するのが車庫代金・自動車保険・税金です。
具体的にどれくらいの費用がかかるのか、シミュレーションしてみましょう。

年間維持費のシミュレーション(例:普通車)

  • 駐車場代: 月2万円 × 12ヶ月 = 24万円(都市部の場合)
  • 自動車保険(任意保険): 年間 8〜12万円
  • 自動車税: 排気量による(普通車で3〜5万円)
  • 車検費用: 2年に1回10〜15万円(年間換算で5〜7.5万円
  • ガソリン代: 月1万円 × 12ヶ月 = 12万円(使用頻度による)
  • メンテナンス費用: オイル交換・タイヤ交換などで年間 3〜5万円

合計:年間 約55〜70万円

仮に50万円の資金を手に入れたとしても、1年も経たないうちに維持費で消えてしまう計算です。
「資金調達」のつもりが、実質的には「借金だけが残る」という結果になりかねません。

ブローカーが語らないデメリット

この手法を勧めてくるブローカーは少なくありません。
しかし、彼らはデメリットについてはほとんど説明しないのが実情です。

① 売却できない不自由さ

車を売却して現金化したいと思っても、
ローンを完済するまでは勝手に売ることができません
車両には抵当権(所有権留保)が設定されているため、
ローン会社の承諾がなければ売却は不可能です。

つまり、「借金を返し切らなければ手放せない」という縛りが続くことになります。
資金繰りが厳しくなって車を売りたくても、
残債を一括返済しない限り売却できないのです。

② 車の価値は下がり続ける

車は購入した瞬間から価値が下がり始めます。
特に新車の場合、最初の1年で20〜30%も価値が下落すると言われています。

つまり、250万円でローンを組んだとしても、
1年後に売却しようとしたときの査定額は180万円程度——
差額の70万円は「負債」として残る可能性があります。
これでは資金調達どころか、借金が増えるだけです。

③ 「楽に資金が得られる」の裏にあるもの

ブローカーは「楽に資金が得られる」と強調する一方で、
維持費・売却制限・万が一のリスクには触れないケースが多いため、
契約後に後悔する人も少なくありません。

⚠️ ブローカーの利益構造

ブローカーは、あなたがローンを組むことで金融機関から紹介手数料を受け取ります。
つまり、あなたがローンを組めば組むほど、彼らの利益は増えるのです。
だからこそ、デメリットを隠して「良いことばかり」を強調するのです。

危険な「車両放置」のアドバイス

一部の悪質なブローカーは、「車を放置して返済を止めても問題ない」
といった無責任なアドバイスをすることがあります。

しかし、これは絶対に聞いてはいけません
返済を怠れば以下のような深刻な事態に陥ります。

🚨 返済を止めた場合のリスク

  • 信用情報に傷がつく
    延滞情報が登録され、
    今後5〜10年間はローンやクレジットカードの審査に通らなくなります
  • 車両の差し押さえ
    ローン会社が車を強制的に引き揚げ、競売にかけられます
  • 残債の一括請求
    売却額で返済しきれなかった残債を、一括で請求される可能性があります
  • 法的措置
    最悪の場合、訴訟や給与差し押さえなどの法的措置に発展します
  • 生活基盤の崩壊
    賃貸契約、携帯電話契約など、あらゆる信用取引ができなくなります

「車を放置すればいい」というアドバイスは、
あなたの将来を破壊する悪魔の囁きです。絶対に従ってはいけません。

車が不要ならやるべきではない

そもそも「車がいらない前提」で資金調達を目的にするなら、この手法は避けるべきです。

車を使わないのに維持費や返済だけが残り、結果的に生活を圧迫することになります。
特に都市部では、駐車場代だけでも年間20〜30万円かかるため、
「資金調達」のつもりが「資金流出」になるのです。

💡 こんな人は特に注意

以下のいずれかに当てはまる場合、オーバーローンは絶対に避けてください。

  • 普段、車を運転しない・運転する機会がほとんどない
  • 公共交通機関が発達している地域に住んでいる
  • 駐車場を確保できない、または駐車場代が高額
  • 維持費を支払う余裕がない
  • 「資金調達だけが目的」で車は不要

実際にはメリットを感じない人が多い

実際にオーバーローンを利用した人の多くが、
「思ったほどメリットがなかった」と感じています。

確かに一時的に資金を得ることはできますが、
それ以上に維持費・返済・売却制限といった負担がのしかかり、
総合的には損をするケースが目立ちます。

短期的な資金調達方法としては効率が悪く、長期的にはリスクの方が大きいのです。
「資金が必要」という切実な状況だからこそ、冷静な判断が求められます。

正規の資金調達方法との比較

調達方法金利審査リスク
オーバーローン3〜8%
銀行カードローン2〜15%中〜高
公的融資制度1〜3%

資金調達が必要な場合は、まず公的融資制度や正規の金融機関を検討してください。
生活福祉資金貸付制度、緊急小口資金、自治体の融資制度など、
低金利で利用できる選択肢があります。

まとめ:オーバーローンは最後の手段ですらない

オーバーローンによる車購入での資金調達は、見た目ほど簡単で便利な方法ではありません。

デメリットまとめ

  • 融資率は高めだが、車を維持し続ける必要がある
  • ブローカーはデメリットを説明しないことが多い
  • 車庫代・保険・税金といった維持費が重くのしかかる
  • 返済が終わらないと売却できない
  • 「車両放置」というアドバイスは危険
  • 車が不要ならやらない方が賢明

短期的な資金調達方法としては効率が悪く、長期的にはリスクが大きいため、
安易に利用するべきではありません。

資金調達を考えるのであれば、公的融資制度や正規の金融機関など、
他の手段を検討する方が賢明と言えるでしょう。

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⚠️ 免責事項

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ローンの条件や法的取り扱いは金融機関や契約内容によって異なります。

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早乙女流夜

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