📊 【2026年3月】 📊
投資信託の最新トレンド
オルカン・S&P500・金ファンド
今週の動向を整理する
純資産残高過去最高329兆円の中、「米国一強」に変化の兆し
2026年2月末時点で、国内公募投資信託の純資産残高が
過去最高の329兆円を更新しました。
新NISAの普及を背景に資金流入は続いており、
オルカン・S&P500の2強体制は揺るがない一方で、
トランプ関税・日銀の金利上昇・欧州株の台頭・金ファンドの急拡大など、
市場の構造に変化の兆しも出ています。
実際に毎月積立運用している独自目線で、
今週の投資信託トレンドを整理します。
📋 この記事でわかること
公募投信残高、過去最高329兆円を更新
2026年2月末時点で、国内公募投資信託の純資産残高が
過去最高の329兆円を更新しました。
2024年1月の新NISAスタートから2年2ヶ月が経過し、
個人投資家の資金流入が続いている結果です。
残高トップはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」です。
2026年2月17日時点で純資産総額は約9兆8千億円に達し、
資金流入額でも2026年2月の月次ランキングでトップを維持しています。
2位のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も10兆円の大台が視野に入っており、
この2本で投信市場全体の牽引役となっています。
新NISAのつみたて投資枠利用者のうち約4割が
オルカンを購入しているというデータがあります。
これは制度スタートからほぼ一貫した傾向で、
「長期・積立・分散」という投資の基本を体現した商品が、
多くの人の選択肢として定着していることを示しています。
ただし、残高の増大は株価の上昇による評価額の増加も含まれます。
純粋な新規資金の流入だけで329兆円になったわけではなく、
2024年以降の世界的な株高が押し上げた部分も
大きい点は理解しておく必要があります。
NISAの仕組みについては
「【超入門】NISAとは?5分でわかる制度の仕組み」で、
具体的な口座開設の手順は
「【超入門】NISAの始め方(口座開設〜積立設定)」
を参照してください。
オルカン vs S&P500——今も「どちらでもほぼ同じ」か
「オルカンとS&P500の値動きは極めて近く、どちらを持ってもほぼ同じ」
——これは以前から言われてきた話ですが、
2026年3月時点では少し状況が変わりつつあります。
オルカンは全世界約50ヵ国の株式に投資しており、
時価総額加重でアメリカが約65%を占めます。
一方S&P500は100%米国株です。
2024年以降、米国株優位の相場が続いてきたため
両者の差は小さかったのですが、
2026年に入って欧州株や日本株への資金シフトが起きており、
オルカンとS&P500の値動きにわずかながら差が生まれ始めています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の直近1年リターンは
約15.4%と依然として高水準を維持しています。
設定時(2018年)の基準価額10,000円から
2026年現在は約39,000円台まで成長しており、
8年弱で約4倍という実績は改めて長期積立の力を示しています。
一方でS&P500の懸念点として、組入銘柄の集中度が挙げられます。
「M7」と呼ばれるNVIDIA・Apple・Microsoft・Amazon・
Alphabet・Meta・Teslaの7銘柄で指数全体の30%超を占めており、
これらテック銘柄の動向に大きく左右される構造になっています。
AIバブル懸念が取り沙汰される2026年においては、
この集中リスクをどう見るかが一つのポイントです。
📊 オルカン vs S&P500 現在地比較(2026年3月時点)
松井証券のアナリストは「今後も米国株優位が続くと考えるならS&P500で問題ない。
長く運用する中で新興国株や日本株が優位な場面も来ると想定するなら、
自分でその比率を調整するのも手」と述べています。
この見方は今の相場環境にも当てはまります。
2本の比較については「NISAで人気の投資信託ベスト10」
も参考にしてください。
「米国一強」から変化しつつある3つの動き
2024年から2025年にかけて続いた「米国株一強」の構図に、
2026年は変化の兆しが見えています。
大きく3つの動きが注目されています。
①欧州株ファンドへの資金シフト
アジア太平洋の投資家が「米国より欧州が魅力的」と
判断し始めているという報告が出ています。
欧州株は米国株と比べてバリュエーションが割安な水準にあり、
戦略的自立の強化(防衛費増加など)を背景に
投資機会が広がっているという見方です。
実際、欧州株式ファンドへの資金流入が増加しています。
②金ファンドの急台頭
金価格が1年で約70%上昇した結果、
金関連の投資信託の純資産残高は1年で3倍、2.5兆円規模に急拡大しました。
地政学リスクの高まりとトランプ関税による不確実性が、
安全資産としての金への需要を高めています。
新NISAでも金ファンドの人気No.1がTracers S&P500ゴールドプラスなど、
金を組み入れた商品に資金が集まっています。
③高配当株ファンドへの注目
「オルカン超えの上昇率」として
日経平均高配当株50インデックスへの注目が高まっています。
直近で利回り5%超の銘柄が続々登場しており、
インデックス投資だけでなく、配当収入を重視する
アプローチも改めて注目されています。
💡 2026年の投資信託トレンドを一言で言うと
「オルカン・S&P500の2強は揺るがないが、
金・欧州・高配当という分散の選択肢が広がっている年」です。
「米国だけに集中しているのが怖くなってきた」
という感覚を持つ人が増えているのが2026年3月の空気感です。
トランプ関税と投資信託——市場への実際の影響
2025年4月に発動されたトランプ関税は、
当時の市場に大きなショックを与えました。
日経平均も含めた世界の株式市場が一時大幅下落。
しかしその後、多くの国に対する高関税の適用が
90日停止されたことで市場は回復し、
結果として「パニック売りせずに持ち続けた人が報われる」展開になりました。
2026年3月現在、トランプ関税については
「もはや市場が織り込み済み」という見方が広がっています。
米著名投資家のケン・フィッシャー氏は
「関税はサプライズとしての力を失っている」と指摘しており、
実際に関税リスクを懸念する声は続いても、
株価は底堅さを維持しています。
ただし、関税の影響は均一ではありません。
日本の輸出企業(自動車・鉄鋼など)には直接の逆風となる一方、
米国内で生産を完結させている企業や
インフラ・エネルギー関連には影響が限定的です。
投資信託の選択においても、
こうした「関税の影響を受けやすい銘柄に集中していないか」
という観点が重要になっています。
また、日銀の金利上昇も見逃せない変数です。
日本の長期金利(10年国債利回り)が2%台まで上昇しており、
これはJ-REIT(不動産投資信託)や借入金の多い
不動産・建設セクターには逆風となります。
一方で、銀行株には追い風です。
国内株式ファンドを保有している方は、
その中身が金利上昇の恩恵を受けるセクターかどうかを
確認しておく価値があります。
新NISA3年目——「なんとなくオルカン」でいいのかという問い
2026年は新NISAが3年目を迎えます。
ここで多くの人が直面するのが
「このままオルカンやS&P500を積み続けていいのか」という問いです。
ファイナンシャルプランナーの指摘として注目されているのが、
「なんとなくオルカンを買っている人はリスクの見通しが甘い可能性がある」
という点です。
オルカンの過去10年の平均リターンは年率14%ですが、直近5年では20%を超えています。
この水準が続くことを前提にしてしまうと、
実際に10〜20%の下落が起きた時に対応できなくなります。
長期積立の本質は「下がった時に売らない」ことです。
下落局面でこそ安く多く買えているという事実を理解していれば、
多少の含み損は気にならなくなります。
逆に、「なぜ買っているかわからない」
「どのくらい下落したら損切りするか決めていない」という状態は危険です。
「何に投資しているかわからない・不明」と答えたNISA利用者が
約22%いるというデータがあります。
4人に1人近くが中身を把握しないまま積み立てているということです。
積立を続けること自体は正しくても、中身を理解していないまま続けると、
暴落時にパニックになりやすくなります。
積立を始めていない、またはこれから見直したい方は
「NISAのメリット・デメリット完全まとめ」と
「もっと具体的な銘柄と積立プランを見る|新NISAポートフォリオ3モデル」
が参考になります。
🪙 「下がっても続ける」ために知っておくべきこと
自分が何に投資しているかを理解する
オルカンは「全世界株式」ですが中身の65%はアメリカ株です。
「世界分散」とはいえ、米国市場が大きく崩れれば連動して下がります。
この現実を知った上で積み立てているかどうかで、暴落時の行動が変わります。
積立金額は「失っても生活に影響のない範囲」に設定する
月10万円の積立も、月1万円の積立も、長期で見れば方向性は同じです。
大切なのは金額より継続すること。
生活資金を削って積み立てると、暴落時に売らざるを得なくなります。
「今が高値圏かどうか」は気にしない
史上最高値を更新するたびに「今は高いから投資できない」という声が出ます。
しかし積立投資において「最適な開始タイミング」を探すことには意味がありません。
ドルコスト平均法の効果は、長い時間をかけてはじめて発揮されます。
私が今やっていること——経営者目線のリアルなポートフォリオ
このブログでも繰り返し書いていますが、
私が実践しているのは至ってシンプルです。
S&P500、オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)、金ファンド、
あとはビットコイン・ETH・XRPを
毎月少額ずつ積み立てているだけです。
金ファンドを組み入れているのは、株式との相関が低く、
地政学リスクが高まった時に値上がりしやすいからです。
実際、2025年から2026年にかけて金価格は上昇を続けており、
ポートフォリオ全体の安定に貢献しています。
「株式100%が怖い」という感覚を持つ方に、
金ファンドを5〜10%組み入れるアプローチはシンプルで有効だと思っています。
欧州株ファンドは現時点では組み入れていません。
確かにバリュエーションは割安ですが、
私が「よく知らないもの」に資金を入れることのリスクをどう考えるかが問題です。
知らない分野への投資は、相場が荒れた時に判断の軸を持てなくなります。
「割安だから買う」という理由だけでは弱い。これは投資全般に言えることです。
余剰資金はスポット購入に充てることもありますが、
基本的には感情を排除した機械的な積立を守っています。
「今が良さそうだから多めに入れる」「暴落したから売る」をやめてから、
投資のストレスが大幅に減りました。
自分自身として意識しているのは、
投資は「守り」であって「攻め」ではないという発想です。
本業で稼いだお金を減らさずに育てることが目的であり、
投資で一発当てることは最初から考えていません。
コツコツ長期で積み上げることが、
自分自身にとって最も再現性の高い資産形成の方法だと実感しています。
ビットコインとS&P500のリターン比較については
「ビットコインとS&P500のリターンからみる今後の仮想通貨投資についての見解」
も参照してください。
まとめ
2026年3月の投資信託市場は、残高過去最高更新・
オルカン純資産トップという形で新NISAの定着を示す一方で、
「米国一強」に変化の兆しが見え始めた転換点でもあります。
欧州株・金ファンド・高配当株という分散の選択肢が広がる中でも、
長期積立の基本は変わりません。
🎯 今週のトレンドまとめ
関連記事
📈 NISA・投資信託の基本
✍️ 筆者より ── 早乙女流夜
「米国一強が終わる」という記事を読んだ時、
最初の反応は「また始まったか」でした。
市場が好調な時は「このまま上がり続ける」、
調整が入れば「崩壊の始まりか」という極端な見出しが溢れます。
投資信託のトレンド記事もその例外ではありません。
私が今の状況で感じているのは、
「欧州株や金が注目されている事実は把握しつつも、
だから今すぐ乗り換えようとは思わない」ということです。
自分がよく理解していない資産に、
トレンドだけを理由に資金を入れることのリスクは、
個別トークンの失敗より根深い場合があります。
「わからないものは買わない」という原則は、投資信託でも同じです。
経営者として投資を続ける理由は、
本業で稼いだお金を長期で守り育てることです。
短期のトレンドに踊らされず、毎月決まった金額を積み立て続ける。
その「退屈な継続」こそが、気づいた時に大きな差になっています。
📌 免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、
特定の投資信託・金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。
投資信託には元本割れのリスクがあります。
投資判断はご自身の責任において行ってください。
本記事の情報は執筆時点(2026年3月16日)のものであり、
市場環境や基準価額は常に変動します。
最新の情報は各運用会社・証券会社の公式発表をご確認ください。





