Investment Column 2026.02
📉📈 FANG+下落×ゴールド好調で
明暗くっきり
2026年2月の相場から学ぶ「株だけじゃない」分散投資の重要性
2026年2月、投資信託の世界で「明暗くっきり」な現象が起きています。
人気のFANG+(ファングプラス)ファンドが大幅下落する一方で、
金(ゴールド)関連のファンドは好調を維持。
同じ「投資信託」でも、中身によってここまで結果が違うのかと
驚いた方も多いのではないでしょうか。
そもそも「FANG+って何?」「なぜ下がったの?」「ゴールドはなぜ強いの?」
――本記事ではこれらの疑問をひとつずつ整理しながら、
「株だけに偏らない分散投資」がなぜ大切なのかを考えます。
そもそもFANG+(ファングプラス)とは?
FANG+(ファングプラス)とは、
アメリカを代表する巨大テクノロジー企業10社で構成される株価指数です。
正式名称は「NYSE FANG+指数」で、
ニューヨーク証券取引所のグループ会社が算出・公表しています。
「FANG」という名前は、もともと以下の4社の頭文字から来ています。
(現Meta)
(現Alphabet)
ここにApple、Microsoft、NVIDIA(エヌビディア)などが加わり、
合計10社で構成されているのが「FANG+(プラス)」です。
上記のMeta、Apple、Amazon、Netflix、Alphabet、Microsoftの6社は固定で、
残り4社は時価総額や売上成長率などの基準をもとに
年4回入れ替えが行われます。
最大の特徴は「たった10社に集中投資する」という点です。
S&P500が約500社、オルカンが約3,000社に分散しているのに対して、
FANG+はわずか10社。
しかも各銘柄を均等に10%ずつ組み入れる「等ウェイト方式」を採用しています。
つまり、この10社が好調なときはS&P500を大きく上回るリターンが出ますが、
不調なときは逆にS&P500よりも大きく下落する。
典型的な「ハイリスク・ハイリターン」の投資対象です。
2026年2月時点の構成銘柄は以下の10社です。
| 企業名 | 主な事業 | 固定/入替 |
|---|---|---|
| Meta(旧Facebook) | SNS・メタバース・AI | 固定 |
| Apple | iPhone・Mac・サービス | 固定 |
| Amazon | EC・クラウド(AWS) | 固定 |
| Netflix | 動画ストリーミング | 固定 |
| Alphabet(Google) | 検索エンジン・広告・AI | 固定 |
| Microsoft | Windows・Azure・AI(Copilot) | 固定 |
| NVIDIA | AI向け半導体(GPU) | 入替対象 |
| Broadcom | 半導体・ネットワーク | 入替対象 |
| CrowdStrike | サイバーセキュリティ | 入替対象 |
| ServiceNow | 業務自動化クラウド | 入替対象 |
ご覧のとおり、AI・クラウド・半導体に関わる企業ばかりです。
「AIブーム」が追い風のときは圧倒的な成績を叩き出しますが、
AIへの期待が揺らぐと10社まとめて下落するリスクがあります。
S&P500が500社に分散しているのとは、まったく性質が違う投資対象です。
📌 主な購入商品:
「iFreeNEXT FANG+インデックス」(大和アセットマネジメント)/
純資産総額 約9,300億円/信託報酬 年0.7755%/
NISAつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入可能。
2024年に驚異的なリターンを記録し人気急騰も、2026年2月は大きな試練に。
2026年2月に何が起きたか
📉 FANG+:主要銘柄の不振で下落が続く
2026年2月24日時点のiFreeNEXT FANG+インデックスの基準価額は73,697円で、
前日比-1,491円(-1.98%)と大幅な下落を記録しています。
下落の背景には、構成銘柄の決算内容への失望があります。
Amazonは利益成長の鈍化により株価が年初来マイナス12%、
MicrosoftはAI関連の設備投資が過大ではないかという懸念から
1日でマイナス10%もの急落を記録しました。
エヌビディアの決算発表も2月末に控えており、
市場全体に「ハイテク株は期待しすぎだったのでは」
という空気が広がっています。
加えて、為替市場でも円高が進行しており、
米国株安+円高という「ダブルパンチ」が
円建てで投資信託を保有する日本の投資家を直撃しています。
FANG+は10社集中投資のため、
構成銘柄のうち数社が不調になっただけで
指数全体が大きく揺れるのが宿命です。
📈 ゴールド:1年で残高3倍の2.5兆円に急拡大
一方、金(ゴールド)関連の投資信託は絶好調です。
金先物価格は2025年に年間+68%という歴史的な上昇を記録し、
日本国内の金関連投信の残高は
2024年末の約8,300億円から2025年末には約2.5兆円へと
わずか1年で3倍に膨らみました。
2026年2月もゴールドの好調は続いており、
みんかぶの月間おすすめランキングにも
「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」がランクインしています。
SBI証券が算出した10年シャープレシオ(リスクに対するリターンの効率性を示す指標)では、
金ファンドが1位・2位を独占するなど、
長期的にも「効率よく資産を増やせた」実績が際立っています。
金がここまで買われている理由は複合的です。
インフレへの警戒、米国の関税政策をめぐる地政学リスク、
株式市場の不安定化による安全資産への逃避――
こうした要因が重なり、
「株式がダメなときこそ金が輝く」という
伝統的な相関が改めて証明されています。
なお、S&P500やオルカンも2月は軟調に推移していますが、
500社〜3,000社に分散しているため、下落幅はFANG+ほど極端ではありません。
「分散されたインデックスファンド」と「10社集中のFANG+」の違いが、
まさに今回の相場で如実に表れたと言えます。
この相場から何を学ぶか
FANG+の下落とゴールドの好調が同時に起きたこの局面は、
投資信託のポートフォリオを考えるうえで非常に示唆に富んでいます。
「値動きの違う資産」を組み合わせる意味
株式が下がるとき、金は上がりやすい。
この「逆の動き」こそが分散投資の本質です。
S&P500とゴールドを組み合わせたポートフォリオが
2月時点でもプラス圏を維持しているという報告が多いのは、
まさにこの効果です。
「分散投資は退屈だ」とよく言われますが、
退屈なポートフォリオこそが
下落局面で冷静さを保てる最大の武器になります。
FANG+は「スパイス」であって「主食」ではない
FANG+の信託報酬は年0.7755%と、
eMAXIS Slim S&P500(年0.09372%)やオルカン(年0.05775%)と比べて高めです。
加えて10社集中という構造上、
値動きはS&P500の数倍になることもあります。
資産形成の「コア(核)」はあくまでS&P500やオルカンのような
幅広く分散されたインデックスファンドに置き、
FANG+はポートフォリオ全体の10〜20%程度に抑える
「コア&サテライト戦略」が現実的です。
全資産をFANG+に投じてしまうと、
今回のような調整局面でメンタルが持たなくなるリスクがあります。
下落局面でやってはいけないこと
FANG+が下落しているからといって、
積立投資を慌ててやめるのは得策ではありません。
過去のデータを見ると、
FANG+が高値から40%を超える下落を記録したケースでも、
半年〜1年半程度で回復した実績があります。
むしろ下落局面でこそ積立投資は威力を発揮します。
基準価額が下がっているときに同じ金額を投資すれば、
より多くの口数を購入できるからです(ドルコスト平均法)。
「下落局面でどう動くか」が、長期的なリターンの分かれ道です。
ただし、それは「自分が耐えられるリスクの範囲内」であることが前提です。
含み損を見て眠れなくなるようなら、
それはポートフォリオのリスクが自分に合っていないサインです。
無理せず、S&P500やオルカンを中心に据えるほうが
結果的に長く続けられます。
実際にゴールドをポートフォリオに組み入れるには
「ゴールドが良さそうなのは分かったけど、具体的にどうすればいいの?」
という方のために、主な選択肢を整理しておきます。
STEP 1
金関連の投資信託を買う(最も手軽)
「三菱UFJ 純金ファンド(ファインゴールド)」や「iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)」
「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」など、
金価格に連動する投資信託がネット証券で購入できます。
100円から積立設定が可能で、NISAの成長投資枠でも購入可能な商品もあります。
STEP 2
金ETF(上場投資信託)を買う
東証上場の「純金上場信託(1540)」「金価格連動型上場投資信託(1328)」などは
株式と同じようにリアルタイムで売買できます。
信託報酬が低い傾向にあるため、コストを抑えたい方に向いています。
STEP 3
ポートフォリオ全体の配分を決める
よく言われるのは、ポートフォリオ全体の5〜15%程度を金に充てるという考え方です。
たとえば毎月5万円を積み立てるなら、そのうち5,000〜7,500円を金ファンドに回す程度のイメージです。
金は配当や利息を生まないため、株式のような「成長エンジン」にはなりませんが、
株式が下落する局面で価値を維持しやすい「保険的な役割」を果たします。
攻めはS&P500やオルカンに任せ、守りとしてゴールドを持つ。
この組み合わせが、2026年2月の相場で実際に機能しています。
まとめ
✅ この記事のポイント
・FANG+は米国巨大テック10社に集中投資する「ハイリスク・ハイリターン」の投資信託
・2026年2月はAmazon・Microsoftの不振と円高でFANG+が大幅下落
・一方、金関連投信は残高2.5兆円に急拡大、金価格は2025年に+68%上昇
・S&P500+ゴールドの組み合わせが下落局面で安定感を発揮している
・FANG+はポートフォリオの10〜20%にとどめる「スパイス」として活用するのが現実的
・下落局面こそ積立を継続。ただし「眠れないリスク」は取りすぎのサイン
2026年2月の相場は、
「株式100%のポートフォリオで本当にいいのか?」
を改めて問いかけてくれる局面でした。
FANG+のような成長株ファンドに魅力を感じるのは自然なことですが、
「攻め」だけでなく「守り」の資産を持つことが、
長期で資産を増やし続けるための鍵です。
「退屈なポートフォリオ」が、実は一番強い。
今回の相場がそのことを教えてくれています。
FANG+に興味がある方は、まずS&P500やオルカンでコアを固めたうえで、
資産全体の10%程度から始めてみるのが安全です。
そしてゴールドも5〜15%組み入れることで、
上昇局面では成長を取り込み、下落局面ではダメージを和らげる。
この「攻守のバランス」を意識するだけで、
投資を長く続けられる確率は大きく上がるはずです。
― 早乙女流夜(さおとめ りゅうや)
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免責事項:本記事は2026年2月25日時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としています。
特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。
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