※Xのこうだい@仮想通貨xweb3.0様の投稿より引用させて頂きました。
本記事は投資助言ではありません。最終判断はご自身で行ってください。
要旨(3ポイント)
- リターンの方向性は概ね同調
2015〜2024年の大局では、ビットコイン(BTC)と
S&P500は「景気・流動性」の影響を共通に受け、
上昇・下落のタイミングが部分的に重なる局面が多い。 - ただし振れ幅は別物
BTCは超高ボラティリティ。
S&P500の数年分の値動きが暗号資産では数週間〜数ヶ月で起こり得る。 - 戦い方は“積立&分散&ルール化”
短期予測に依存せず、積立・分散・利確/追加投資ルールを決めることで、
サイクルの波に左右されにくい運用が現実的。
観測事実:2015〜2024の大局観
筆者がX(旧Twitter)で見かけた「2015〜2024のリターン比較」を起点に、
両者の特徴を専門家目線で整理します。細かな数値の正確さよりも、
サイクルの“質感”を捉えることを重視します。
1) 上昇・下落の方向性は部分的に共通
リスク資産の代表であるS&P500は、金利・景気・流動性に強く影響されます。
暗号資産市場も同様のマクロ要因に反応しやすく、
グローバルな緩和局面ではリスクオン、
引き締め局面ではリスクオフに傾く傾向が共通します。
結果として、年次で見ても「上がる年」「重くなる年」が
ある程度重なることは不思議ではありません。
2) ただしBTCは“振れ幅の論理”が違う
ビットコインは参加者の構成、流動性、
需給イベント(半減期・マイナー動向)などの影響が大きく、
収益分布の裾が非常に厚い(極端に上にも下にも振れうる)資産です。
同じ“方向性”でも、リスク量は指数比で桁違いです。
2017年のような超過熱後の反動や、
2022年のような不祥事連鎖時の下落は、
制度化の進んだ株式指数には出にくいショックの伝わり方と言えます。
3) 「4年周期」仮説とどう向き合うか
BTCは半減期(新規発行量の半減)が約4年周期で訪れるため、
マーケットでも「4年サイクル」が語られます。
実際、過去には上昇→過熱→調整→回復というおおまかな循環が観測できました。
ただし、これは相関が高かった歴史的傾向であり、
将来の再現性は保証できません。
半減期の織り込みが進めば、値動きのリズムは平準化される可能性もあります。
元の考察を独自視点でリフレーム
ご提示の元記事は、以下の着眼が優れています。
- 過熱の反動
2017年の超過熱→2018年の失速という
「平均回帰」メカニズムを的確に指摘。 - 制度・不祥事ショック
規制/不祥事が需給を冷やし、
翌年に持ち直すパターンがあったことを冷静に評価。 - 株式との“方向性の同調”
S&P500も弱含む年にBTCが不安定化するなど、
マクロ共通要因の存在を示唆。
一方で、強調したいのは「因果関係の過剰解釈は禁物」という点です。
見かけの周期性は偶然の相関を含みます。仮に2025年に上昇が続き、
2026年に失速したとしても、それが“4年周期だから”とは限りません。
期待を置くのではなく、起き得るシナリオに備える設計が投資家の役割です。
実務:個人投資家が取りうる戦略
1) 長期・積立・ルール化
BTCの本質は高ボラティリティです。
時間分散(ドルコスト平均法)により取得単価のブレを抑え、
利確/追加投資のルールを事前に決めることで、
感情起因の売買ミスを減らせます。
例)「年初来○%超の上昇で一部利確」「○%下落で予定比○%だけ追加投資」など。
2) 分散と最大ドローダウンの意識
BTC単独ではドローダウン(資産の最大下落幅)が極端になりがち。
S&P500やキャッシュ・債券・金などと組み合わせ、
ポートフォリオ全体のリスク/リターン比で意思決定します。
相関の低い資産を混ぜると、同じ期待リターンでも変動が小さくなることがあります。
3) 期待値ではなく“耐えられる設計”
期待リターンが高くても、途中の大きな含み損に耐えられず離脱してしまえば、
長期の複利は届きません。収入・生活防衛資金・投資経験を踏まえ、
「最大どれだけ下がっても継続できる配分か」から逆算しましょう。
2025年以降の見立て(シナリオベース)
- ベースケース
マクロが中立〜やや緩和、BTCはネットワーク成長と制度化の進展で
中期的には上昇トレンド継続。ただし上昇の“階段”は荒い。 - リスクケース
規制強化/不祥事/ハッキング、または金利の再上昇により流動性後退
→急落。リスクイベントは突発的で予測困難。 - アップサイドケース
機関投資家の需要増・ETF資金流入・会計/税制整備の進展で
資産クラスとしての地位がさらに確立。
どのシナリオでも、積立・分散・資金管理の三点セットで“生存”を優先する戦略は一貫します。
結論:短期の当たり外れより、再現可能性
BTCとS&P500は共通のマクロ要因で同方向に動く局面がある一方、
リスクの性質は大きく異なります。
価格は上がり過ぎれば下がり、下がり過ぎれば戻ることが多い――
この平均回帰の現実と、個々のイベントの不確実性の両方を受け入れた上で、
長期・積立・分散・ルール化により
「続けられる投資」を設計することが、個人投資家の勝ち筋です。
※本記事は投資助言ではなく、情報提供を目的としています。
暗号資産は価格変動が大きく、元本割れのリスクがあります。
投資判断はご自身で行ってください。