
外国株式に投資する投資信託は、
日本国内だけでは得られない成長機会や分散効果を提供してくれます。
しかし、そこには日本株にはない
「為替リスク」という特有のリスクが存在します。
為替相場の変動は投資成果に大きな影響を与えるため、
外国株投資信託を購入する際には必ず理解しておくべき重要なポイントです。
本記事では、為替リスクの仕組み、具体的な影響、
回避や軽減の方法について徹底解説します。
1. 為替リスクとは?
為替リスクとは、外国通貨建ての資産に投資した際に、
為替相場の変動によって資産価値が増減するリスクのことです。
外国株投資信託は米ドルやユーロなどの通貨建てで運用されることが多く、
円高・円安の動きが基準価額に直接反映されます。
2. 円高と円安が投資信託に与える影響
為替リスクの理解には「円高」「円安」が投資成果に
どう影響するかを把握する必要があります。
- 円高:
1ドル=150円から130円に円高になると、
外貨資産を円に換算した際の評価額が目減りします。 - 円安
1ドル=100円から130円に円安になると、
同じ外貨資産でも円換算の評価額が増加します。
つまり、為替の方向性によって同じ投資信託でも大きくリターンが変動するのです。
3. 為替リスクの具体例
例えば、米国株に投資するファンドで1万ドルの資産があったとします。
- 為替レートが1ドル=100円 → 評価額は100万円
- 為替レートが1ドル=120円 → 評価額は120万円
このように為替レートの変動だけで20万円の差が生じることになります。
4. 為替リスクを軽減する方法
- 為替ヘッジありのファンドを選ぶ:
為替の変動を抑え、純粋に株価の値動きに投資できる。 - 複数通貨に分散投資:
米ドル・ユーロ・新興国通貨などに分散することでリスクを低減。 - 長期投資
短期的な為替変動は読みにくいため、長期で保有することでリスクを吸収しやすい。
5. 為替リスクとリターンのバランス
為替リスクは必ずしもマイナスではありません。
円安局面ではリターンを押し上げる要因となり、
投資成果を高める場合もあります。
重要なのは、自分がどの程度のリスクを許容できるかを
把握したうえで商品を選択することです。
6. 投資家が取るべきスタンス
外国株投資信託を検討する際は、
「為替リスクを取ってでも高いリターンを狙うのか」
「為替の影響を抑えて安定性を重視するのか」という
スタンスを明確にする必要があります。
自身の投資目的やライフプランに合わせた判断が求められます。
7. まとめ
外国株投資信託は、世界経済の成長を取り込む魅力的な投資手段ですが、
同時に為替リスクが避けられない課題です。
円高・円安による影響を正しく理解し、自分に合った
商品選びとリスク管理を行うことで、
安定的な資産形成につなげることができます。