オーナー商法とは、「事業のオーナーになることで毎月安定した配当を得られる」という

触れ込みで資金を集める投資スキームの一種です。

 

実際には実体の伴わない事業や不透明な収益構造を背景にしている場合が多く、

出資者にとっては極めてリスクの高い仕組みとなっています。

本記事では、オーナー商法の典型的な仕組みと潜むリスクについて詳しく解説します。

1. オーナー商法の仕組み

オーナー商法は、表面的には「事業投資」として紹介されます。

例えば以下のような形態です。

  • 不動産の一部を所有していると見せかけ、賃料収入を分配すると説明する
  • 飲食店やホテル、農業事業の“オーナー”として投資を募集する
  • 新しいサービスやビジネスに出資すれば「安定した配当」が保証されると説明する

しかし、これらの配当原資が実際の事業収益ではなく、

新規参加者からの資金に依存している場合が多く、

いわゆるポンジスキームに近い形態をとることがあります。

2. 魅力的に見える理由

オーナー商法が被害を拡大する理由は、その見せ方にあります。

「不動産」「農業」「飲食店」といった身近な事業を題材にすることで投資家に安心感を与え、

かつ「何もしなくても配当が得られる」という利便性が強調されます。

 

多くの人が手軽に収入を得られると思い込み、

深い調査をせずに資金を出してしまうのです。

3. 実際に起きたトラブル事例

過去には、オーナー商法をうたった案件で以下のようなトラブルが発生しました。

  • 事業が存在せず、集めた資金を運営者が私的流用していた
  • 当初は配当が支払われていたが、後に新規資金が集まらなくなり配当停止
  • 契約内容が不明瞭で、返金を求めても応じてもらえない

こうした事例は新聞や裁判記録にも残っており、

多くの投資家が被害を受けています。

4. リスクの本質

オーナー商法の最大のリスクは、「事業の実態が不透明」である点です。

 

収益モデルや配当原資が曖昧なまま契約を結ばされ、

結果として資金が返ってこないケースが多発しています。

 

また、配当を保証するといった説明は金融商品取引法にも抵触する可能性があり、

法的なリスクも抱えています。

5. 回避のためのポイント

  • 投資対象の事業が実在しているか徹底的に調査する
  • 配当原資が新規参加者の資金でないかを確認する
  • 「必ず儲かる」「毎月安定収入」などの文言をうのみにしない
  • 契約内容を精査し、不明点は必ず確認する
  • 専門家や公的機関に相談することをためらわない

まとめ

オーナー商法は、一見魅力的な配当をうたいながらも、

実態はポンジスキームや詐欺的手法に近いケースが少なくありません。

 

実際の事業収益に基づかない配当は必ず破綻します。

資金を守るためには、甘い言葉に惑わされず、健全な投資判断を心がけることが不可欠です。

 

投資を検討する際には、必ず事業内容の裏付けを確認し、

信頼できる専門家に相談することを強くおすすめします。