※ヤフーニュース記事から画像を引用
最近、フィリピン共和国を拠点に活動していた
「S DIVISION HOLDINGS(以下SDH社)」という名義で、
日本人投資家を狙った疑わしい社債の募集事件が発覚しました。
主犯格とされるのは、代表を務めていた 須見一容疑者(45)です。
本記事では、その手口の背景や詐欺の
可能性、被害の実態を調べた範囲で解説します。
1. 投資の仕組みと疑わしさの概要
報道によれば、須見容疑者らは「年利6〜24%」という高利回りを謳い、
1口10万円〜1000万円の社債購入を勧誘していたとされます。
2021年5月から約2年間で2400人、総額171億円以上を集めた疑いがあり、
配当が支払われた期間もあったものの、
2024年1月以降は支払いが滞ったとのことです。
2. 無登録で行われた外国社債募集の違法性
証券取引等監視委員会の調査によれば、
SDH社および須見容疑者は投資家に
社債(外国社債を含む)を募集したにも関わらず、
金融商品取引業の登録および有価証券届出を行っていませんでした。
これにより、金商法違反で裁判所への禁止・停止命令が申立てられています。
(よくある投資詐欺の事例と同じ流れですね)
3. ポンジスキームの可能性と小口投資の仕組み
この事件は、典型的なポンジスキームの構造を彷彿とさせます。
後から集めた資金で配当を支払う構造は、
持続性が極めて低く、最終的には破綻する可能性が高いです。
特に「数十万円単位の小口投資」で多数を集めた点は、
被害者が膨大になりやすい構造でもあります。
また、小口投資で枠を作る別の要因としては
少額故に詐欺の追及をさせにくくする為でしょう。
仮に10万円出資した金額が戻ってこない場合
弁護士を使って回収しようと思っても
弁護士費用の方が高い為
諦めたほうが逆に金銭的に2次被害を防げます。
その辺りもしっかり視野に入れて
お金を回収していた事でしょう。
4. メディアでの露出は限定的
本件は朝日新聞やTBSなど複数メディアで報道されていますが、
投資詐欺の中では比較的報道件数が少なく、
広く世間に危険性が知られていないのが現状です。
被害者はあっても声を上げにくい事件の典型とも言えるでしょう。
また、露出が控えめであったからこそ
実際は被害者がかなり多いのにもかかわらず
これまであまり目立つことがなく
被害者が増え続ける状況となってしまったのでしょう。
5. 「毎月配当」は要注意!
投資案件で毎月配当を謳う投資話には要注意です。
特に利回りが高い場合、詐欺のリスクが急激に高まります。
本件も高利回りと配当支払いで初期には信頼を勝ち取り、
徐々に資金が回らなくなっていった典型例です。
不特定多数の人に向けた毎月配当案件の多くは
今回のようなポンジスキームが
基本的に採用している為注意しましょう。
6. 本当に儲かる話はまず身内にだけ
どんなに理想的に見える話でも、
「本当に良い投資話は最初に身内や親しい人に回す」と心得ましょう。
一般多数に広がる案件ほど、信頼性が怪しくなる傾向があります。
知らない人が饒舌に大丈夫とアピールしてくる時点で
一旦考えるもしくはすぐさま距離を置くようにした方が良いでしょう。
7. 投資前のチェックポイント
- 金融庁の登録業者かどうか確認する
- 有価証券届出が提出されているか公式資料で確認する
- 事業内容の実態が透明で説明に納得できるか
- 高利回りの根拠を第三者ながら確かめること
あらかじめこれらを確認するしか、
投資詐欺から身を守る方法はありません。
また、紹介されている案件がネットで検索して
被害報告が出ていないかを確認する方法も良いでしょう。
特に今は新宿109KENZOさんのように
詐欺事案について突撃して下さり
情報提供してくださる方も増えてきているので
是非調べてみましょう。
8. まとめ:DIVISION詐欺の教訓
須見一容疑者らによる「DIVISION」のケースは、
典型的な無登録社債募集および高利回り型
ポンジスキームである可能性が非常に高い事件です。
毎月配当・高利回りの謳い文句には特に警戒を。
登録の有無、事業の実態、そしてなにより
投資判断は慎重に行いましょう。