新型コロナウイルスの影響により、
多くの事業者が資金繰りに困難を抱えました。
これに便乗する形で「コロナ融資を受けられる」と
称する詐欺案件がSNSを中心に拡散し、
多くの被害が報告されています。
本記事では、特に着手金詐欺に焦点を当て、
その手口や注意点、正規の資金調達手段について解説します。
SNSでの情報拡散に注意
TwitterやFacebook、LINEオープンチャットなどのSNSでは、
コロナ融資に関する情報が氾濫しました。
中には有益なものもありますが、
匿名性を悪用した詐欺的な勧誘も多く存在しました。
典型的な投稿例は以下の通りです。
- 「返済不要のコロナ融資がある」
- 「ブラックでも融資可能」
- 「着手金を払えば審査不要で資金が下りる」
これらは金融庁や政府の制度融資には存在しない条件であり、
明らかに詐欺的な誘いです。SNS経由での「簡単融資」話は疑ってかかるべきです。
着手金がかかる案件は詐欺の可能性大
コロナ融資をめぐる詐欺で最も多いのが着手金詐欺です。
「申請代行費用」「事務手数料」などの名目で
数万円から数十万円を請求し、
入金後は連絡が途絶えるという手口です。
正規の金融機関や信用保証協会を通じた制度融資では、
事前に着手金を請求することは一切ありません。
また弁護士や司法書士に依頼する場合でも、
着手金の有無や金額は契約書で明確に示されます。
口約束や振込先だけを示す案件は極めて危険です。
典型的な詐欺の流れ
- SNSで融資可能と勧誘
- DMやLINEで「まず着手金を支払ってください」と要求
- 入金後に「審査落ちした」「時間がかかる」と言い訳
- 最終的に連絡が途絶える
信用情報を無視する案件も危険
「信用情報を見ないからブラックでも借りられる」と
うたう案件にも注意が必要です。
金融機関は必ずCICやJICCなどの信用情報機関を参照します。
信用情報を無視して融資を行うのは闇金か、詐欺の可能性が高いといえます。
仮に融資を受けられたとしても、
法外な金利を課されたり、返済不能に陥るリスクがあります。
違法業者に関わることで、
個人情報が売買される恐れもあるため、
絶対に避けるべきです。
正規の金融機関を利用するのが安心
コロナ融資に関しては、日本政策金融公庫や各地の信用保証協会を
通じた制度融資が設けられていました。
これらは政府の正式な支援策であり、
着手金不要・低金利・一定の返済猶予が特徴です。
また、商工会議所や中小企業診断士などの専門機関でも、
正規の相談窓口を提供しています。
詐欺的な勧誘に惑わされず、公的機関や実績のある金融機関を
通じて手続きを進めることが最も安全です。
詐欺被害に遭わないためのチェックリスト
- SNSや匿名のDMからの勧誘を信用しない
- 事前に着手金を要求されたら即断る
- 信用情報を見ないという案件は危険
- 公式サイト・金融庁や自治体の発表を必ず確認
- 契約書なしの取引は絶対にしない
まとめ:甘い言葉に騙されず正規ルートで資金調達を
コロナ融資を利用した詐欺は、
資金繰りに苦しむ事業者の心理につけ込む悪質な手口です。
特に着手金請求は典型的な詐欺のサイン。
信用情報を無視する融資も違法性が高く、被害拡大の温床となります。
正規の金融機関・制度融資を利用することが、
最も安全で確実な資金調達の方法です。
焦りにつけ込む詐欺に騙されないよう、
常に冷静に情報を確認しましょう。