Web Credibility

自社サイトに無関係なバナー広告を
貼ってはいけない理由

「副収入」のつもりが信頼と売上を削っている現実

📊 この記事で分かること
中小企業や個人事業主のホームページを見ていると、
自社の業務とはまったく関係のないバナー広告
貼られているケースを目にすることがあります。
「少しでも広告収入の足しになれば」という気持ちは理解できますが、
その数百円〜数千円の副収入と引き換えに、
サイトの信頼性と本業の成約率を大きく損ねている
可能性があります。
本記事では、自社サイトにおけるバナー広告の正しい扱い方を
「貼っていいバナー」「貼ってはいけないバナー」の基準から整理し、
企業サイトの信頼性を守るための考え方をお伝えします。

1. なぜ無関係なバナーが問題なのか

企業のホームページは「デジタル上の名刺」であり「24時間営業の営業担当」です。
初めて御社のサイトを訪れた見込み客は、デザインや内容から瞬時に
「この会社は信頼できるか」を判断しています。

そのページに、自社の事業と無関係な消費者金融の広告や
ダイエットサプリのバナーが並んでいたらどうでしょうか。
「この会社、本業で食べていけていないのではないか」
という印象を持たれても仕方ありません。

月に数百円〜数千円の広告収入を得るために、
本業の問い合わせや成約を失うことは、言うまでもなく割に合いません。

極端な話ですが、たった1件の問い合わせが新規取引に繋がれば数十万円の売上になる業種で、
月3,000円の広告収入のために信頼を削るのは本末転倒です。

実際に私が目にした例では、士業(税理士・行政書士等)の
ホームページに消費者金融のバナーが貼られているケースがありました。

顧問契約を検討している経営者がそのサイトを見たとき、
果たして「この先生に任せよう」と思えるでしょうか。
広告収入は月数千円でも、逃した顧問契約は年間数十万円の損失です。

2. 訪問者が感じる「この会社、大丈夫か?」

人間は初対面の印象を3〜5秒で決めると言われますが、
Webサイトではさらに短く、約0.05秒という研究結果もあります。

その一瞬の判断材料に「無関係な広告バナーの乱立」が含まれた場合、
信頼の回復は極めて困難です。

具体的に、訪問者が無関係なバナーを見たときに感じる心理を整理してみます。

⚠️ 訪問者が抱くネガティブな印象

  • 「経営が苦しいのでは?」
    広告収入に頼っている=本業が不調と連想される
  • 「管理が行き届いていない」
    サイトの品質管理ができない=本業の品質にも不安
  • 「怪しい会社かもしれない」
    出会い系や健康食品の過剰広告が出ると詐欺サイトと誤認されるリスク
  • 「ここは個人ブログ?」
    法人サイトなのに個人の趣味サイトと区別がつかなくなる

特にBtoB(法人向け取引)の場合、取引先の選定は慎重に行われます。
決裁者が御社のホームページを開いた瞬間に無関係な広告が表示されれば、
その時点で候補から外される可能性が高いです。

相手が社内稟議を通す際に「このサイトを見てください」と
上司に共有するシーンを想像すれば、リスクの大きさは明白でしょう。

3. SEOと表示速度へのマイナス影響

信頼性の問題だけでなく、技術的なデメリットも見逃せません。

まず表示速度の低下。バナー広告は外部サーバーからの読み込みが発生するため、
広告が多いほどページの表示が遅くなります。
Googleが公式に重視しているCore Web Vitals(LCP・CLS等)のスコアが悪化し、
検索順位に悪影響を与えます。

スマホでの表示が遅いサイトは、3秒以内に表示されないと
53%のユーザーが離脱するというデータもあります。

次にE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の毀損
Googleは「そのページが何の専門サイトなのか」を評価しています。

例えば、建築会社のサイトにダイエットサプリの広告があれば、
サイト全体の専門性が曖昧になり、本来上位表示されるべき業務関連の
キーワードでの評価が下がるリスクがあります。

さらに、アドネットワーク型の広告(Google AdSenseなど)は
配信される広告内容をサイト運営者がコントロールしきれません。

競合他社の広告や、自社のイメージにそぐわない広告が自動表示される可能性があり、
これはブランド毀損の観点からも危険です。

加えて、広告バナーの遅延読み込みによる
レイアウトのズレ(CLS:Cumulative Layout Shift)も無視できません。

ページを読んでいる途中でバナーが挿入されて本文がガクンとずれる現象は、
ユーザー体験を大きく損ないます。

この指標が悪いサイトはGoogleの検索順位でも不利に扱われるため、
広告収入どころかオーガニック流入まで減少させてしまう
二重のダメージを受けることになります。

4. 貼ってOKなバナーの基準

すべてのバナーが悪いわけではありません。
以下の3つに該当するバナーは、むしろ信頼性の向上に繋がります。

✅ 自社が取り扱う商品・サービスのバナー

これは当然OKです。自社の商品紹介ページや申込フォームへの導線は、
訪問者にとっても有益な情報です。
むしろ積極的に設置すべきで、
ページの目的に沿ったCTA(行動喚起)として機能します。

✅ 関連会社・協力会社・取引先へのリンクバナー

パートナー企業のロゴやバナーを「取引先紹介」「パートナー企業」として掲載することは、
自社の活動実績や業界内のネットワークをアピールする効果があります。
「この会社はしっかりした取引先と繋がっている」という安心感を与えられます。

✅ 所属団体・資格・認定のバッジ

業界団体の会員バッジ、ISO認証マーク、公的な認定ロゴなどは信頼性の証明として有効です。
これらは「広告」ではなく「信用の証」として機能するため、
フッターや会社概要に掲載するのが適切です。

共通しているのは、
「このバナーがあることで、訪問者が御社をより信頼できるかどうか」という判断基準です。
この基準を満たすバナーは、数が多くても問題ありません。

5. 今すぐ外すべきバナーの特徴

逆に、以下に該当するバナーは即座に削除を検討すべきです。

❌ 自社の業務と無関係なアドネットワーク広告

Google AdSenseなどの自動配信広告。配信内容をコントロールできず、
競合や不適切な広告が表示されるリスクあり。

❌ 成果報酬型の他社商品バナー

自社とまったく関係のない他社商品の紹介バナー。
月数千円の報酬のために法人サイトの品格を下げてしまう。

❌ 期限切れ・リンク切れのバナー

キャンペーン終了後の古いバナーやリンク切れ。
「管理されていないサイト」という印象を与え、全体の信頼性を大きく損なう。

❌ 怪しさを感じさせるデザインのバナー

「今すぐ○万円」「限定○名」等の煽り文句を含むバナー。
サイト全体の信頼性を一気に引き下げる。

判断に迷ったら、
「この広告を取引先の社長が見たとき、自社の印象がプラスになるかマイナスになるか」
を想像してみてください。
マイナスになる可能性が少しでもあれば、外すのが正解です。

6. 集客ブログでも同じ原則が当てはまる

企業のコーポレートサイトだけでなく、
集客目的で運営しているブログにも同じ原則が当てはまります。

集客ブログの本来の目的は、見込み客に有益な情報を提供し、
自社の専門性を示し、最終的に問い合わせや購入に繋げること
です。

その記事の中に本業と無関係な広告バナーが混在していると、
読者は「結局この記事は広告収入目的なのか」と感じ、
コンテンツ自体の信頼性が低下します。

私自身、過去に集客ブログで無関係なバナーを大量に配置していた時期がありました。
「記事を書いているついでに広告も貼れば一石二鳥」と考えたのです。

しかし結果はクリック率0.3%、成約ゼロ。
しかもバナーに目を取られて本来の導線(自社サービスへの誘導)からの
離脱が増えていたのです。

無関係なバナーを外し、自社サービスへのCTAだけに絞ったところ、
記事からの遷移率は改善しました。バナーの「数」を減らした方が、
本来届けたいメッセージに読者の注意が集中するためです。

これはいわゆる「選択のパラドックス」で、
選択肢が多すぎると人は何も選ばなくなるという心理学の原則そのものです。

💡 集客ブログで守るべき原則

  • 記事内のバナーは自社の商品・サービスへの誘導のみに絞る
  • CTA(行動喚起)は記事冒頭・証拠提示後・末尾の3箇所に固定
  • 関連記事のリンクでサイト内の回遊率を上げる方がSEO効果も高い
  • 1記事1目的を徹底し、読者に「次にすべきこと」を1つだけ提示する

7. バナー整理の具体的な手順

「今すぐバナーを整理したいが、何から手を付ければいいか分からない」という方に向けて、
30分で完了する手順をまとめます。

📝 バナー整理チェックリスト(所要時間:30分)

Step 1:棚卸し(10分)
サイト内の全バナーをリスト化。設置場所・リンク先・種別(自社/取引先/外部広告)を記録する。

Step 2:仕分け(10分)
各バナーを「自社商品」「取引先・パートナー」「所属団体」「それ以外」に分類。
「それ以外」に分類されたものは削除候補。

Step 3:削除と確認(10分)
削除候補のバナーを外し、リンク切れがないかを確認。
残したバナーのリンク先が正常に動作するかもチェック。

この作業は四半期に1回(3ヶ月ごと)の定期メンテナンスとして
組み込むことをおすすめします。

取引先の変更やキャンペーンの終了に伴い、バナーは気づかないうちに古くなるためです。
古いバナーを放置すること自体が「管理されていないサイト」
というメッセージを発してしまいます。

また、バナーを整理した後は表示速度の変化を計測してみてください。
Googleが無料で提供しているPageSpeed InsightsにサイトのURLを入力するだけで、
スコアの変化を確認できます。

不要なバナーを5〜6個外しただけで、
モバイルのスコアが10〜20ポイント改善した事例もあります。
数字で効果が見えると、今後も定期的に整理する動機付けになります。

整理後のバナー配置で迷ったときは、
「トップページ → 自社商品・サービスのバナー」
「会社概要 → 取引先・所属団体のバナー」
「ブログ記事 → 記事内容に関連した自社サービスへのCTAのみ」
というルールに沿うとシンプルに整理できます。

8. まとめ:本業の信頼を守ることが最大の収益

この記事の重要ポイント

  • 自社業務と無関係なバナーはサイトの信頼性を大きく損なう
  • 月数千円の広告収入と引き換えに、本業の問い合わせ・成約を失うリスクがある
  • 自社商品・取引先・所属団体のバナーは信頼性向上に有効
  • 表示速度やSEO評価にも技術的な悪影響がある
  • 集客ブログでも導線を自社サービスに一本化すべき
  • 四半期ごとのバナー棚卸しを定期メンテナンスに組み込む

企業サイトの最大の役割は、本業の信頼を伝え、見込み客を顧客に変えることです。
その目的に合致しないバナーは、今日のうちに外してしまいましょう。
「引き算」こそが、サイトの価値を最大化する最短の方法です。

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