前編「【超入門】NISAの始め方」の続編です。

この記事では、実際の銘柄(種類)と積立金額の決め方を、

30〜40代のサラリーマン向けに“今日すぐ設定できるレベル”まで落とし込みます。

超保守/標準/積極の3モデル+積み増しルールで迷わない

前提と方針:長期・分散・低コストに“作業の少なさ”を足す

  • 長期:10年以上を基本。値下がり局面でも売らない設計に。
  • 分散:国・業種・通貨に分散。一つのテーマへ集中しない。
  • 低コスト:信託報酬は可能なら年0.10%前後を目安に。
  • 作業の少なさ:銘柄数は最小限、自動積立+年1回だけ点検

ポートフォリオ3モデル(つみたて投資枠が中心)

Model A:超保守(迷ったらコレ)

全世界株式インデックス1本(100%)。地理も業種も自動で分散され、

乗り換えの手間が最少。為替も各国に分散されます。

  • 対象例:全世界株式(オールカントリー型など)
  • 想定コスト:年0.10%前後
  • メリット:1本で完結、メンテが楽
  • 留意点:米国の比率が高め(世界時価総額比)

Model B:標準(米国強め×世界分散)

米国株式+全世界株式で“世界の成長を取りつつ米国を厚め”に。

  • 配分:米国株式60%、全世界株式40%
  • 対象例:S&P500 or 米国広範インデックス/全世界株式
  • 想定コスト:年0.09〜0.15%

Model C:積極(先進国中心+新興国を少量)

ややリスク許容度が高い方向け。先進国中心に、新興国を10%以内でスパイス。

  • 配分:先進国株式80%、新興国株式10%、国内株式10%
  • 対象例:先進国(日本除く)/新興国指数/国内TOPIX

※具体的なファンド名は各社の「低コスト・インデックス」を選択。

純資産総額の増加傾向、信託報酬、トラッキング誤差をチェック。

積立金額の決め方(2万円/3万円/5万円)

生活防衛資金(6ヶ月分)がある前提で、続けられる最小額から開始 → 半年ごとに増額が現実的です。

毎月額設定例(Model B)ボーナス増額
2万円米国株1.2万円/全世界0.8万円年2回×各3万円
3万円米国株1.8万円/全世界1.2万円年2回×各5万円
5万円米国株3万円/全世界2万円年2回×各7万円

※金額は一例。給与日直後に自動積立、ボーナス月は“上乗せ”で。

年1回のリバランス(正解は“触りすぎない”)

  1. 年末に資産配分を確認(証券会社のポートフォリオ機能でOK)。
  2. 配分が±5%を超えたら、翌年の積立比率を調整(売却より“買いで戻す”)。
  3. 大きく崩れたときだけ部分売却で均す(税制上の非課税は維持)。

売買頻度が増えるほど「高値掴み/安値売り」の癖が出ます。“年1回だけ見る”がむしろ最適。

暴落時の“積み増しルール”を決めておく

  • 基準:基準価額が直近高値から-10%/-20%のとき、増額スイッチ。
  • 方法:通常積立に+5,000〜1万円を3ヶ月限定で上乗せ。
  • 目的:値下がり期に口数を多く買い、回復時の伸びを狙う。

感情で動くと逆効果。「数値で決めたら自動」がコツです。

コスト最適化チェック(始める前に3つだけ)

  • 信託報酬:年0.10%台を目安に比較。
  • つみたて設定:毎月だけでなく「毎週/毎日」も選べるか。
  • ポイント還元:保有残高に対する年率還元があると実質コスト低下。

設定の実行手順(5分で完了)

  1. 証券会社アプリで「つみたて投資枠」を選ぶ
  2. Model A/B/Cのいずれかを選び、対象インデックスを検索
  3. 毎月額と積立日(給料日直後)、ボーナス増額を入力
  4. つみたて対象の再投資型を確認して保存
  5. メモに「年1回点検」「下落時の増額ルール」を記入

口座開設〜積立設定の手順に戻る(前編)

ざっくり将来試算(過度な期待はしない)

長期平均の年率を3%/5%/7%で粗く試算すると…(税・手数料は単純化)。

毎月額20年・3%20年・5%20年・7%
2万円約657万円約825万円約1,045万円
3万円約986万円約1,237万円約1,567万円
5万円約1,643万円約2,062万円約2,612万円

※実際のリターンは上下します。積立を止めない仕組みと、生活防衛資金の確保が最優先。

本記事は一般的な情報提供であり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。