コロナ禍において、資金繰りに困窮した中小企業や個人事業主に対して
「議員を通じれば融資が有利に進む」という触れ込みの案件が散見されました。
一見すると、政治家の力を借りることでスムーズに融資が受けられるように感じるかもしれません。
しかし実際には、手数料や謝礼金を名目にした金銭トラブル、
さらには詐欺に発展するケースも確認されています。
本記事では、入手した情報や実際に相談を受けた事例を基に、
その実態と注意点を詳しく紹介します。
1. 議員を利用したコロナ融資の仕組み
問題となったのは「議員や議員秘書に相談すれば、
金融機関や政府系金融機関への融資が優先的に通る」という宣伝です。
具体的には以下のような手口が報告されています。
- 「議員が後押ししてくれるので確実に融資が下りる」と説明される
- 謝礼金や紹介料として数十万円〜数百万円を事前に要求される
- 融資が通らなかった場合でも、支払ったお金は返金されない
2. 実際の相談事例
ある中小企業経営者は、議員関係者を名乗る人物から
「手数料を支払えば特別枠で融資が受けられる」と勧められました。
最初は半信半疑でしたが、資金繰りに追い詰められていたこともあり
100万円を支払ったといいます。
しかし結局、融資は通らず、その後は連絡が取れなくなりました。
こうした被害相談は複数寄せられており、
組織的に展開されていた可能性も否定できません。
3. なぜ議員が関与しているように見えるのか
実際に議員本人が関与しているケースは稀ですが、
「議員秘書」「後援会関係者」「元議員スタッフ」を
名乗る人物が登場することが多いです。
権威を借りて信用させるのが典型的な手口であり
、実態は全く関係のない第三者であることも珍しくありません。
4. 法的観点からの問題点
公的融資制度は、議員や政治家の紹介によって優先されるものではありません。
議員を通じて便宜を図ることは、場合によっては
職務権限を利用した不正行為に該当する可能性があります。
また、謝礼金や手数料を事前に要求する行為は
「着手金詐欺」の一種と考えられ、刑事事件に発展するリスクもあります。
5. トラブルを避けるためのチェックリスト
- 「議員が後押しする」といった甘い言葉を鵜呑みにしない
- 着手金や謝礼金を事前に要求されたら即座に警戒する
- 公式な融資制度は公的機関の窓口を通して申請する
- 不審な場合は金融庁や警察に相談する
6. 健全な融資利用のために
コロナ融資は中小企業や個人事業主を
救済する目的で整備された制度です。
議員や政治家を経由する必要は一切なく、
正規の金融機関や政府系金融機関の窓口を通じて利用できます。
むしろ「議員を使う」という発想自体がリスクを伴うことを理解し、
公式なルートを利用することが最も安全です。
まとめ
議員を利用したと称するコロナ融資案件は、
資金に困っている人の弱みにつけ込む典型的な手口です。
謝礼金や手数料を要求する時点で詐欺の可能性が高く、
冷静に判断する必要があります。
入手情報や実際の相談事例からも明らかなように、
こうした案件に巻き込まれれば
経済的・精神的なダメージは計り知れません。
融資は必ず公的機関や正規の金融機関を通じて申請し、
怪しい誘いには毅然と断ることが重要です。