新NISAと旧NISAの違いを徹底比較
はじめてでも最短でわかる完全ガイド

2024年から始まった「新NISA」は、旧制度(一般NISA/つみたてNISA)を
抜本的に拡張した“恒久化&非課税枠の大幅増”が特長です。
本記事では、制度の核となる違いを表と要点で整理し、
初心者がいますぐ実践できる使い分けのコツまでまとめます。

まず要点だけ(60秒サマリー)

  • 制度が恒久化:新NISAは期限なし。長期前提の資産形成がしやすい。
  • 非課税枠が拡大:つみたて投資枠+成長投資枠の2階建てで、年間投資上限が拡大。
  • 売却で枠が復活:非課税で売却しても、翌年以降の非課税枠が再利用できる。
  • 商品ラインナップの整理:“長期・分散・低コスト”を軸に、初心者はつみたて投資枠中心が王道。

新旧NISAの比較表

比較項目旧NISA(〜2023年)新NISA(2024年〜)
制度の期間有期限(一般NISA:最長5年、つみたてNISA:最長20年)恒久化(期限なし)
非課税枠の構造一般NISA/つみたてNISAは“いずれか”利用2つの枠を同時併用(つみたて投資枠+成長投資枠)
年間投資上限一般NISA:120万円/年
つみたてNISA:40万円/年
拡大(各枠の上限を合算して利用)
生涯投資上限設定なし生涯上限あり(上限内で長期の回転が可能)
売却後の枠売却しても非課税枠は復活しない翌年以降に枠が復活(回転が効く)
対象商品一般NISA:幅広い
つみたてNISA:金融庁基準を満たす長期向け投信
つみたて投資枠:長期・分散・低コストの投信等/
成長投資枠:株式・ETF・投信等 幅広く
運用方針との相性短中期の個別株にも利用可能だが、非課税期間の制約がネック長期・積立・分散が前提。売却枠復活でリバランスしやすい

なぜ新NISAに刷新?(背景と狙い)

少子高齢化・物価上昇のなか、家計に長期投資を根付かせるために

「恒久化」「非課税枠拡大」「売却枠復活」で使いやすさを大幅に改善。

投資デビューの心理的ハードルを下げ、

“貯蓄から投資へ”を一段と後押しする設計になりました。

タイプ別・最適な使い方

① 完全初心者(まずは仕組みに慣れたい)

  • つみたて投資枠を中心に、全世界株式や先進国株式の低コスト・インデックス投信を毎月積立。
  • 余力が出てきたら、成長投資枠でETFや日本株インデックスを少額追加。

② 既に投資経験あり(分散と税制最適化)

  • つみたて投資枠=長期・コア資産/成長投資枠=戦略的サテライトで棲み分け。
  • 年1回のリバランス時に売却→枠復活を活用し、非課税のまま比率調整。

③ キャッシュフロー重視(無理なく継続)

  • 毎月の積立額は「可処分所得の5〜10%」を目安に。ボーナス月に増額設定も可。
  • 一括は避け、時間分散で価格変動リスクを平準化。

旧NISAから乗り換えるときの実務ポイント

  1. 旧制度の保有資産はそのまま非課税期間まで保有(ロールオーバーの扱いは証券会社の案内に従う)。
  2. 新NISAではつみたて投資枠を最優先。生活防衛資金を確保し、毎月の積立を継続。
  3. 投資対象は信託報酬の低いインデックス投信を軸に。迷ったら“全世界株式”の一本化でOK。
  4. リバランスは年1回。非課税のまま売却→翌年枠復活を活用して比率調整。

新NISAでも避けたいNG運用

  • 短期売買の多用:非課税枠の価値を損なう。制度は“長期・積立・分散”前提。
  • 高コスト投信の放置:信託報酬の差は年率で地味に効く。コアは徹底して低コストに。
  • 毎月分配型の過度利用:複利が効きにくく、長期の資産形成と相性が悪い。

チェックリスト(今日やること)

  • □ 証券会社で新NISAの口座区分を確認/申込
  • □ つみたて投資枠:全世界 or 先進国株インデックスを選定
  • □ 成長投資枠:ETFや株式は“少額・分散”で
  • □ 積立日は給与日直後に設定(残高不足を防ぐ)
  • □ 年1回の見直し日をGoogleカレンダーに登録
新NISAは「長期で続ける人」に最も恩恵がある制度です。
仕組みを味方に、小さく・安く・長く積み上げましょう。